本年も微力ながら、地域歯科医療に貢献できればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
ChatGPT&NanoBanana&Grok
ところで、いよいよ当院も開業から丸27年、1月6日には28年目に突入です。
あっという間の27年間、医院もボロくなってきましたが、歯科医師もボロボロになってきました。
年末年始の休みというと、医療機関の人は豪華に海外旅行に行っている!と思われがちですが、当院は貧乏なので そのようなゆとりはありません。普段の診療の疲労回復だけで終わってしまいます。何より、年末は「腫れました!」「痛くて、昨晩寝られませんでした!助けて!」という患者さんが 複数人飛び込みで来院されますので、大体は休日も緊急出動しています。
そんなこんなの私たちですが、歯医者になってからはもう31年。色々な症例や色々な方々と巡り合ってまいりました。最近は患者さんの年齢と現在の口腔状態を拝見すると、その方の60代 80代が見えてしまうという 予言者的経験値も積み重なってきました。
それと共に、患者さんに十分な歯科医療を提供できてきたのか?という反省の思いも、ふつふつと湧いてきて、悩み大き日々を送っています。
さて、基本的に人は誰でも、自分の歯で食べたい、自分の歯が一番、と思っておられます。本当は抜いてブリッジにした方がいいのになあとか、本当は抜いて義歯にした方がいいのになあと思う症例でも、抜いてしまったらもう終わり、歯は2度と萌えてきません。そんな訳で、強く抜歯を勧めずに 患者さん本意の診療を続けてきました。
歯を抜かないということに関しては、特に院長の、ほぼ十人中九人の歯科医が抜くであろう歯を残し、コツコツ根の消毒を行い(感染根管治療と言います)、一本一本土台を建て、最後に人工とはいえ 一見自分の歯のような歯が入る(補綴と言います)!という治療には 驚きしかありません(私にはできない)。
で、そのような方々のその後について、この頃思うことがあります。
他力本願せず、自力本願で頑張っている人ほど、永く保っていらっしゃる。
開業して数年、大混雑して待ち時間2時間超も当たり前だった時分(お待たせしてすみませんでした、え?今も待ってる?申し訳ございません)、まるで昭和40年代のように 虫歯で口腔崩壊した方が まだまだゴロゴロいらっしゃいました。そんな中、コツコツ 毎週毎週通っていただいた方が、何人もいらっしゃいます。お待たせするのはほんと気が引けたのですが、とにかく、患者さんの必死さが伝わってきました。こちらもその思いに応えようと必死でした。
そして、年単位で治療が進み(1年は普通 2年でまあまあ 3年かかった人も)、ようやく長い長いブリッジや、多数の補綴物(被せ物や差し歯のことですね)で口腔機能が回復、自分の歯で食べられるところまで到達しました。自分の歯で食べられるって嬉しいと どの方も思われたと思います。
そして問題はそのあとです。
治療中や治療後には 当院では歯ブラシの使い方、歯間ブラシの使い方、糸ようじやフロスの使い方、ワンタフトブラシの使い方などを、来院されるたびに、ここがイマイチとか、ここが残ってますねとか 五月蝿く指導されます。ほんとうるさくです。
その甲斐あって、当院の患者さんは 歯磨き100点!(全員じゃないけどね)
なのに、それでいて 今現在、治療した歯をほぼそのまま保って使っている方と、あえなく入れ歯になった方がいらっしゃいます。
お断りしておくと、ここで話題にしているのは むし歯体質の方のこと。歯周病で歯が抜けてしまう方は 遺伝的な要因もあり、ご本人の歯磨き100点とは あまり相関しません。
そのむし歯だらけで、口腔崩壊していた方が回復したあと、その状態が永く保てるかどうかは、先にも述べましたが
自力本願か他力本願かの違いです。
自力本願の方は、とにかく自分の歯を大切にされています。
具体的には、もちろん歯ブラシ 歯間ブラシ ワンタフトブラシなどは完璧にする。それも毎日。雨の日も風の日も。昼夜 就寝前、最低でも一日2回は必死にする。特に寝る前は 死ぬほど疲れて眠い日でも歯を磨いて寝る。まずここで頑張ってらしゃいます。
そして次は、食べるものへの配慮。
ギリギリのところで残した1本では立っていられない歯が、複数本手を繋ぎ、力を合わせて口の中に立っている。健康でなんでも食べられる元気な歯ではない という自覚を持って、極端に固いものは食べない、食べる前にこれは大丈夫か?と考える。少し固い食材は 小さく薄く切ってから食べる。大きなものをパクッと食べない。食べる順番も考える。などなど、本当に自分の歯で食べられる幸せを守るために 日々努力をされています。
一方、他力本願の方は、補綴物もよく壊れたり、取れたり。「取れたら歯医者に行って つけてもらえばいいんや!」という感じです。 「うちに来ればなんとかしてくれると思った。」と毎回取れるはっきりいってもうムリなブリッジを持ってきて言われたことも。歯科医になりたての頃は、こちらも 自分の仕事が下手くそだから取れるんだと思っていました(下手くそな時もあるけど、ごめん)。
でも、違いました。
とある方に仮歯をつけました。 本来ブリッジか義歯にするところを、仮歯のままでこれでいいと過ごされていました(採算合わん😢)。そして、よくそれが取れてこられました。その度にくっつけては、また取れるの繰り返し。 ある日、その仮歯の隣の歯に異変が生じました。なんと、歯の根が真っ二つに割れてしまったのです。2本ダメになったら、今度こそ、にブリッジ(それも近所の歯の神経をとらねばなりません。今は無傷な歯なのに)か入れ歯の危機です。
そこからです。その方の歯を大切にする気持ちにスイッチが入ったのは。
食べるものや食べ方に気をつけ、歯磨きもスペシャルに上手に。それ以来、、仮歯が完全にとれることはなくなりました。以前は、取れたらつけれもらえばいいや だったんですね。
そういえば、自力本願な方は、全身の健康状態も 生活習慣も 経済状態も あらゆることでいい感じです。ということで、歯だけではなく おそらく人生全てに通じる 自力本願な生き方。前向きとか、攻める生き方とか 申しましょうか。
というわけで、新年最初のご挨拶が2月になるという、「お前が一番自力本願できてないだろ!」というお叱りもごもっともでございます。 今年は自力本願で頑張ります。